ふたつのスピカ(NHKドラマ8版)
深夜の再放送で視聴。第1話だけはリアルタイムで見たんだけどね。
日本初の有人宇宙ロケット「獅子号」の事故から10年。事故で母親を亡くしたアスミは新設された宇宙学校に入学し、宇宙を目指す……というベーシックなお話。なんだけど…
アスミの父親が獅子号の設計責任者で、事故の責任を追及されたり恨み言を言う人が出てくるのは分かる。父親本人が責任を感じて宇宙の仕事からリタイアするものまぁそうかなぁと思う。でも、当の宇宙開発者が父親の責任を追及するのはどうなんだ?
耐震偽装マンションじゃあるまいし、設計図をそのまま宇宙船にしているはずがない。計算機シミュレーションをやって、実物大模型でのありとあらゆる状況での耐性実験やって、それを全てクリアした上での有人飛行。スペースシャトルの数多の事故例をみても分かるとおり、それでも事故が起きるわけだけど、それはシミュレーション段階で見落とした関係者全員の責任のはずだ。スペースシャトルは結局、「現状の技術では飛行機型の往還機という発想そのものに無理があった」という結論になったわけだけど、1981年の初飛行の段階ではそんなこと誰も思っていなかったし、計画に携わった個人に責任があったなんて誰も思っていない(よね?)。
多くの有能な技術者、研究者が協力して実験を繰り返し、石橋を叩いて渡らないほどの慎重さをもってしても事故が起きるというのが宇宙開発の難しいところだと思うんだけど。設計者に責任をなすり付けて八つ当たりなんて、しかも設計者当人にではなく、その娘に対して辛く当たるなんて研究者のプライドが許さないんではないかい?
いや、「君は宇宙飛行士にはなれない。なぜなら、獅子号事故の責任者・鴨川友朗の娘だからだ」というのは第1話の引きとしては優れているのは認めるけど、原作でもこんな感じなのか?
ちなみに、第3話でHall & Hullc-IIが出てきて3階建ての建物の中から猫を探し出すというミッションに挑戦していました。「あのずんぐりむっくりな体型で階段の昇り降りができるのかなぁ」と思って未来館まで行って質問したら、やっぱり現状のHullc-IIでは無理らしい。どうりで、フロアを普通に走っているシーンしか出てこなかったわけだ。
とまぁ、不満ばかり並べたけど「プラネテス」みたいな話がそうそう作れるはずもなく。若手アイドル&俳優の卵主体のドラマが高水準になるはずもなく。突っ込みつつも楽しむのが吉かな。
#ミもフタもないけど、ミリタリー関係について脚本家が勉強していないことがまる分かりの
#「戦場のヴァルキュリア」に比べればなんぼかマシとも言える。
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ちょっと気になってはいたんですが
見る暇がなくて (^^;
こういう話だったんですね。
by ぐーだ (2009-07-10 01:11)
よく言えば基本に忠実、悪く言えば平凡なドラマですよ。
目標が明確な主人公がいてライバルがいて主人公の理解者がいて、
主人公に厳しく接する教官がいる。スポ根ドラマのフォーマットに
則っています。脚本家が宇宙開発に関して通り一遍の知識しか
持ってない(ようにしか見えない)のが難点ですけど、まぁ深く考えたら
負けということで。
by Sacchan (2009-07-10 20:52)